Interview /MONO
Interview with MONO
MONO

MEMBERS :
Takaakira "Taka" Goto :. Guitar
Tamaki :. Bass
Yasunori Takada :. Drums
Yoda :. Guitar
■1.今作で4枚目のフルアルバムとなりますが、どんな気持ちで制作に入りましたか?
また制作途中に自分自身が意識していた事は?


takada :
今回はいままでの作業と大きく違い、一つの作品を2回のタームに分けて作業しました。時間的には半年くらいインターバルがありました。ひとつの作品としての緊張、表現、演奏、流れがしっかり作れるか、心配でした。曲に対して、演奏の正解はひとつしかないので、それをしっかり出そうという意識はありました。

tamaki :
セッションしている段階で、サウンドも精神も今までとは違うものを感じていました。
表現が具体化してきている分、余計にむずかしい。
もっと4人が気持ちが同じ所にいないと、少しの歪みがバランスをくずす。
ぎりぎりまで気が抜けない状態でした。
アルバム制作にあたり、始めの段階でgotoさんからストーリーのようなものを聞くんですが、
これが私にとっては凄く大事でそれに対してどうあるべきか考えてみる。
自分は人間としてこうなんじゃないかなとか一度なりきってみる。
そのうち、素の自分と楽曲の中の人間像が一体化したものが生まれてくる。そんな人を表現したいなと思い、臨みました。
また、演奏していて良くない時はいつもこの最初のストーリーに必ず戻ってみて、頭の中をシンプルにするようにしました。


■2.どんな感じでレコーディングは進みましたか?また前作に続いてのエンジニア、スティーブ・アルビニとの作業はどうでしたか?

yoda :
いつも通りみんなで同時にライヴ演奏するという方法で、今回は2005年の2月、9月と2回に分けてそれぞれ違うスタジオで録音しました。2回に分けて録るのは初めてで、何か違うフィーリングになるかと思ってましたが、全体を通して聴くとそんな事は全然関係なくなってました。そしてスティーブは相変わらずクールに順調に、音楽、バンド全体を的確に把握してくれていました。

goto :
レコーディング前は、Pelicanとのスプリットや、wegとのコラボアルバム制作、今回のアルバム、それと今年リリース予定の他の曲等を同時に進行させていたんで、出来るだけ混乱しないようにカレンダー作りから始めました。その合間にtourもしていたし、バランスが崩れない事だけを考えて過ごしていた。幸運にも、体調も良かったし、レコーディング前から緊張感も一度も途切れる事はなかった。
結果的に全行程スムーズに進んで、すべてにおいて妥協のない、納得の行く結果に繋げる事が出来た事を誇りに思います。今回もTamakiやTakada君は自分のパート以外にも、たくさんの楽器、ピアノ、グロッケンシュピール、オルガン、メロトロン、ギター、等を演奏したし、僕とyodaのギタ−の呼吸もぴったりだった。またストリングスカルテットの人達とも2回目のセッションだったので、前作以上に、深い表現が出来たし、スティーブに関しては、今も昔も、変わらずリスペクトしてる。素晴らしい仕事をしてくれました。


■3.完成した今、あなたにとってこのアルバムはどんな意味をもっていますか?

takada :
次の段階への許可をもらったような感じです。もちろん、その時点での最善は尽くしていますが、この作品で自分もバンドも終わりではないので、そういう意味ではしっかりと段階を踏めたという意味も含め、そう思います。

tamaki :
苦しかった分、新しい表現が出来たと思います。わかりにくいかもしれませんが、楽器を弾くことしか出来ない人間なので、また新しい扉を見つけられた事によって演奏することの楽しみや幸せを感じていいと許されたような気がします。


■4.MONOが結成されて6年目を迎えようとしています。あなた自身の気持ち、考えについて、振り返ってお話出来ますか?


takada :
ひとつのことを続けることの難しさ、大切さを学びました。5年間やってきたこと、体験してきたことすべてに必然を感じています。これからもそうでありたいです。あと、このメンバーで続けてこれたことにも誇りを感じます。

yoda :
色々分かり始めた事もあり、はっきりしてきた事もたくさんありますが、根本はあまり変わっていないと思います。振り返ってみると色々あった6年だと思うけど、まだまだこれから先の方が楽しみです。

tamaki :
ミュージシャンとして得たものもありますが、人間的に学んだ事が多かった。

goto :
感動が辛さを飲み込んだ感じ、とても充実してたと思う。


■5.一年の殆どをtourをしていますが、精神的にも肉体的にも大変ではないですか?
またあなたがtourを通して学んだ事、経験した事、気付いた事等、教えて下さい。



takada :
旅中はほぼ毎日の演奏になり、疲れや精神的にも追いつめられます。が、僕らには数ある中の一本の演奏でも、その時に見に来ている人には、とても楽しみにしている一本だと思います。長い旅に慣れていないときは、正直、今日の演奏は良くなかったと自覚することもありました。でもそれは、「今日は調子が悪かった!」では言い訳にならないわけで、お金を払ってわざわざその一本を見に来てくれている人にはとても失礼です。プロとして失格ですよね。長い旅に慣れたことも大きいですが、今ではどんなときでも、本番になってスティックを握れば、集中して命をかけて演奏できるようになりました。

tamaki :
勿論大変ですが、自分達の体や頭を使って経験した事実は、貴重なものだと思います。


yoda :
毎日が同じ事の繰り返しと思う人が多くいると思うけど、実際は同じ事なんてあまりなくて、街も変われば人も変わるし、もちろん会場のサウンドシステムや僕らの演奏も変わるので実はピリピリしてる事の方が多いです。だから個人的な事で言えば体調管理は凄く重要です。やはり体が疲れていてはあまり良い結果が出ない事の方が多い。僕はあまり食べ物にはこだわらなくて、大体なんでも食べられるので食事は問題ないんだけど、疲れがたまりやすいので、どこでもよく寝るようにしています。睡眠、これはとても重要です。

goto :
僕の中の全てが変わったと思う。すべてが否定され、そしてすべてが肯定されました。


■6.これまでのtourの中で起きた、何か印象に強く残っている事を教えて下さい。

takada :
数えきれないくらい、人の優しさにふれられた事です。自分もそうなりたいです。
それとアメリカを回り始めたころ、無保険のバンで一ヶ月以上旅したことです。事故を起こしたら、強制送還もあり得、次回アメリカ入国が大変困難かもしれないと言う話でした。無事故でことなきを得ましたが、いまとなっては考えるだけでも怖いです。

tamaki :
友人の事でいえば、特にアメリカは沢山の友達が待っていてくれます。
正直いえば、全部が全部の言葉がわかる訳ではないので、どこか心が通じ合えることはないと悲観的なものを最初は勝手に抱いていました。
でも、人と関わって行く内に言葉だけではない、楽しませてあげたいとか、助けてあげたいとか、心から誰かの為にしてあげたいという気持ちは伝わってくるものだなと感じています。
純粋に私達の為にしてくれる好意から、私達が人に何かをするべきだということを学ばせてくれたような気がします。

yoda :
ツアー中で起きる事はハプニングも含めて本当にたくさんあるけど、やっぱり自分にとって印象的なのは色々な人と出会えた事です。本当にそれぞれの友人やバンドマンとの出会いが強く印象に残っています。

goto :
英語が全くしゃべれなかった頃に出会った、英語が話せないベルギーのファンの子との、言葉なしの会話。
生涯の親友との新たな出会い。


■7.ツアー以外の過ごし方は?

takada :
家族との時間を大切にしています。と同時に、一人でゆっくりする時間も大切にしています。あとは、気分転換も兼ねて、なるべくの友人に会うようにしています。

tamaki :
なるべくリラックスするようにしています。友人と会って食事したり、散歩したり。
体力も衰えてきたので、最近は運動もしていますが…。

yoda :
音楽関係以外では、普段は本を良く読みます。ジャンルはほとんど関係なくて、その時の気分で面白そうな物を読みます。後で考えてみると、なぜその時にその本を読んだのか(選んだのか)、その時の自分の精神状態や、自分自身の言葉にならないけど感じていた事が分かったりする事もあって、結構面白いです。

goto :
暇が苦手なんで、曲を書いたり、友人にあったり、映画みたり、あともちろんレーベルの仕事も。


■8.あなたが感じる各国のオーディエンスの反応の違い、印象を教えて下さい。

takada :
以前は海外のお客さんは騒ぐというか、演奏中に話をする人も多かったです。しかし、最近はどこの国も、みんな真剣に鑑賞に来てくれているという印象があります。イントロが始まった瞬間にうなずく人を見たり、歓声があがったりすると、あー、待っていてくれたんだなと実感します。

yoda :
個人的に思うのはMONOを観に来てくれている人達というのは、本当にMONOが好きで観に来てくれている人が多いと思います。本当に嬉しい事です。そしてそれぞれに色々な物を抱えて生きている人達だとも思います。そして自分自身の人生と真剣に向かい会っている人達だと思います。僕は演奏していてそういうものを感じます。


■9.ライブをするにあたって一番好きな場所は?、また、これまでで最も印象的なライブがあれば教えて下さい。

takada :
ニューヨーク。初めて海外で演奏した場所なので、毎回感慨が深いです。
印象的なのは2003年のスウェーデンでのフェスティバルの時で、開演前からMONOコールが起こり、思わずお客さんにお辞儀をしてドラムセットに就きました。あれは忘れられないです。

tamaki :
沢山あって難しい…。シアトルかな。
印象に残っているライブは去年の春のprovidenceのショウ。
個人的にこのツアーは精神的な挑戦であったので、最終日のこの日の
ラストの曲の時に、「これで終わる。そしてまた頑張れる。」と少し、感極まっていたら警察が来て中止になった。
何がなんだかわからない状態で終わったので、終わった感じもしなく、「まだ旅は続くのね…。」と思った。
2003年のEITSとの東京公演も何故か楽しめたのを覚えています。

yoda :
一番好きな場所は渋谷クアトロ。実は一番緊張する所でもあったりするんだけど。印象的なライブはそれこそたくさんあるんだけど時々思い出すのが、スウェーデンのArvika Festival。ライブ自体も凄く良かったんだけど、ライブが終わって後片付けをするためにステージに戻り、中学生位の男の子達がステージの前にいて、ステージとオーディエンスの間にはちょっと間があるので(よくカメラマンとかがいる所)一生懸命僕に、顔を真っ赤にしながら、大きな声を出してyoda!!yoda!!と叫んでくれていた事。多分僕が英語を分からないと思って一生懸命嬉しさを伝えてくれた事。そしてその子達が自分で作ったボロボロの何度も何度もmonoという字を重ね塗りした手作りのT-シャツを見た時、胸がギューッとなったのを思い出します。

goto :
2002年のtourかな?アトランタでのフェスの時、最後の曲でtakada君がベースドラムを僕のマーシャル向けて投げて来た時の事。当時僕等はかなり怒っていた。今でもマーシャルの穴を見ると笑えます。



■10.バンド活動において、あなたが心がけている事、また絶対にこれだけは譲れない/してはいけないと感じている事はなんですか?


takada :
自分たちでできることは自分たちでやるということ。自分たちで責任のとれる範囲以外、依存しないこと。命をかけて演奏すること。

tamaki :
個々に役割があるので、任された役割は必ず、責任を持ってやる。



■11.あなたの夢/目標を教えて下さい。

takada :
同じメンバーで音楽を続けること。一つのことを続けるのはすごく大変だと思います。継続は力なり!あともっとたくさんの国で演奏したいです。

tamaki :
夢ではないけど、何か人に与えられる人間になっていたい。

yoda:
自分自身日々色々変わっていっていると思うので、その時々の自分を素直に表現出来るようになりたいです。そして音楽をする事によって、自分自身やみんなが生きて行く勇気を持てるようになれれば良いと思います。

goto:
共感出来る映画監督の作品に音楽を提供したい、そして稼いだお金で身体の不自由な人達の為の施設に寄付をしたい。


■12.あなたにとって音楽とは?、(また音楽を通じて表現したい事は?)

takada :
自分自身の性格や精神状態が反映されるもの。嘘をつけないもの。自分はこういう人間なんだと表すもの(現れるもの)だと思います。

tamaki :
多くの人と通じあうことが出来る心の手。

yoda :
最近は宿命みたいな物を感じます。そして音楽で表現したい事はとても難しいですけど、生きるという事。

goto :
歓喜と憂い。


Human Highway Records
February, 2006