Liner notes
■the drift "noumena" 2005/11/02 Released
HECY-1022 < Tracks:>
1. Gardening, Not Architecture
2. Invisible Cities
3. Hearts and Flowers
4. Transatlantic
5. Noumena (*bonus track)
6. Inconsistency Principle
7. For Grace and Stars (*bonus track)
8. Fractured Then Gathered (Reprise)
キーワードは「ジャズ」、そして「ダブ」、「危なさ」と「自由」。
幽玄な静寂から楽器同士の火花のぶつかり合いまで変幻自在な、全8曲78分のフリーク・セッション。


サンフランシスコのインディ・シーンを牽引し、ポスト・ロックやハードコアといったジャンル名に収まらず、「音楽の表現領域の拡大」 という面ではUS屈指の実力を持つバンド、タレンテル。そのメンバーであるダニー・グロディが率いるもう一つのバンドが、このドリフトだ。もともとは、現在ラザラスとして活動しているトレヴァー・モンゴメリーがタレンテルに在籍していた頃、2人によるサイド・プロジェクトとして始まったのがこのバンド。が、トレヴァーの脱退と共にバンドとしての方向性が固まった。彼らが独自の音像を追求してきた成果はファースト・アルバムとなるこの『NOUMENA』に強烈に現れている。
 キーワードは「ジャズ」、そして「ダブ」。湿り気を帯びたギターのアトモスフェリックな響きは本体のタレンテルとも相通じるものはあるが、ドリフトの音楽性を際立たせているのは、アップライト・ベースとトランペットとのフリー・ジャズ的な緊張感あるトライアングル。ジャズの優雅さや洗練でなく「危なさ」と「自由」を響かせ、さらにそれをダブ・ミックスによって幾重にもこだまさせるようなサウンドだ。幽玄な静寂から楽器同士の火花のぶつかり合いまで変幻自在な、全8曲78分のフリーク・セッション。そのラジカルな音世界は、聴き手を確実に異世界に連れて行くはずだ。    

(ライター/柴 那典)